喜劇・大安旅行 [1968年 松竹]

喜劇・大安旅行

[スタッフ]
脚本 舟橋和郎
監督 瀬川昌治
製作 島津清
撮影 高羽哲夫
照明 戸井田康国
録音 鈴木正夫
音楽 木下忠司
美術 梅田千代夫
[出演者]
並木大作 フランキー堺
父 甚吾 伴淳三郎
丸山雪子 新珠三千代
母 うめ 笠置シヅ子
新庄晴子 倍賞千恵子
森岡 牧伸二
丹羽美知子 生田悦子
 (カラー シネマスコープ 94分)
新婚カップルのあふれる和歌山県の紀勢本線沿線を舞台に、蒸気機関車の機関士と専務車掌という「鉄道一筋」の父子の恋愛騒動を描いた松竹喜劇「旅行シリーズ」(1968〜72)の第1作。この作品がヒットするや、松竹のドル箱シリーズとして全国の鉄道沿線でロケーションが行われた。ここでは伴淳三郎とフランキー堺が父子を、相手役となる料理屋の母娘を笠置シヅ子と新珠三千代が演じ、恋心や人情、嫉妬といった感情が入り交じる様が、土地の風物も折り込みながら鮮やかに描写されている。1960年代以降の日本の喜劇映画を代表する瀬川昌治監督は、アクの強いコメディアンたちの多様な持ち味を伸ばすことに優れ、多くの喜劇人を印象的にスクリーンに登場させている。瀬川監督は「旅行シリーズ」の前にも東映で渥美清主演の「列車シリーズ」(1967〜68)をヒットさせており、いずれも当時の国鉄が全面的に協力している。